ロジスティクスとは?物流・倉庫・流通との違い、課題改善のための役割など
<目次>
1:ロジスティクス(logistics)とは
2:ロジスティクスと物流・倉庫・流通の違い
3:代表的なロジスティクス企業
4:ロジスティクスに関わる仕事内容
5:ロジスティクスに欠かせないシステム、テクノロジー
6:ロジスティクスに関するニュース
7:ロジスティクスの重要性
8:ロジスティクスの改善事例
9:これからのロジスティクスの課題と役割
10:当社はネオ(新しい)ロジスティクスを目指す会社です!
1:ロジスティクス(logistics/兵站)とは
ロジスティクス=物流と捉えられる事はしばしば見聞き致します。
ですが、本来の意味では「ロジスティクス」≠「物流」となります。
それぞれを英訳すると
・物流=physical distribution
・ロジスティクス=logistics
上記の通り、異なります。物流は実際に現場で行われている荷物を動かす「活動」を指し、ロジスティクスはその活動を効率的に「管理」することを指します。
ロジスティクスと物流の違いについて詳しくは、別記事の
【物流とは?ロジスティクスとの違いや「機能・役割・目的・流れ」について】
【3PL物流の意味とは?倉庫業との違いとメリット・デメリットなど紹介】
でも掲載しているので、ご興味がある方は参考にして下さい。
「logistics」を和訳すると「兵站」という言葉に行きつきます。兵站という言葉を皆さんはご存じでしょうか?
「兵站」の意味は?
戦場で後方に位置して、前線の部隊のために、軍需品・食糧・馬などの供給・補充や、後方連絡線の確保などを任務とする機関。その任務。
とされています。
軍事用語を背景に生まれた「ロジスティクス」。その由来として有名なお話が1939年から1945年までの6年余りにわたって続いた第二次世界大戦のお話です。
アメリカを代表とする連合国軍が勝利となったわけですが、その勝因として必要な兵隊と物資を決戦場に送り続けることのできた「グローバル補給戦」に勝ったことが上げられています。
これを日本では「兵站」といい、物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれています。この兵站こそが、ロジスティクスの語源となっているのです。
その他にも新中軍が持ち込んだとされる「フォークリフト」も現在の物流現場では当たり前のように存在する機材で、物流・ロジスティクスは軍事がルーツであることがよくわかります。
また、JIS(日本工業標準規格)ではロジスティクスを
「物流の諸機能を高度化し、調達・生産・販売・回収などの分野を統合して需要と供給の適正化をはかるとともに顧客満足を向上させ、あわせて環境保全及び安全対策をはじめ社会的課題への対応をめざす戦略的な経営管理」
と定義されています。
2:ロジスティクスと物流・倉庫・流通の違い
ロジスティクスと物流が異なる事はご説明いたしましが、同様に混同されやすいのが「倉庫」と「流通」です。
それぞれを英訳すると
ロジスティクス = Logistics
物 流 = Physical distribution
倉 庫 = Warehouse
流 通 = distribution
上記の様にもちろん異なります。もう少し分かりやすく表現すると、
ロジスティクス = 活動(物流)を効率的に「管理」
物 流 = 荷物を動かす「活動」
倉 庫 = 他から委託された荷物を保管する「設備」
流 通 = 物と対価(主にお金)の両方の「移動」
上記の様に異なります。
物流・倉庫・流通、それぞれについて詳しく別の記事でも掲載していますので、
是非ご参考にしてみてください。
【物流とは?ロジスティクスとの違いや「機能・役割・目的・流れ」について】
【3PL物流の意味とは?倉庫業との違いとメリット・デメリットなど紹介】
3:代表的なロジスティクス企業
有名、有力、優良と比較検討軸が様々で一概に決まったロジスティクス企業があるわけではありませんが、対応範囲・企業規模含め有名な企業様を参考に挙げさせて頂くと、
日本通運様 / ヤマトホールディングス様 / SGホールディングス様 / TSネットワーク
日立物流様 / 近鉄エクスプレス様 / セイノーホールディングス様 / センコーグループホールディングス様
山九様 / 鴻池運輸様 / 福山通運様 / 上組様 / SBSホールディングス様 / 三井倉庫ホールディングス様
日鉄物流様 / 三菱倉庫様 / ニチレイロジグループ様 / 住友倉庫様 / ニッコンホールディングス様 / キユーソー流通システム様
荷物を動かすなど一部「活動」(物流)だけでなく、その活動において全体最適化し効率的に「管理」(ロジスティクス)が出来る頼もしい企業さん達です。
4:ロジスティクスに関わる仕事内容
1950年代にアメリカから「物的流通」(物流)という概念が入ってきた際には、「輸送・配送」「保管」「包装」「荷役」「流通加工」という物流5大機能として構成されていました。
その後に物流という一連の流れをより効率的に運用するための「ロジスティクス」という概念と共に「情報処理」という機能が加わり物流6大機能として構成されるようになりました。
「輸送・配送」「保管」「包装」「荷役」「流通加工」「情報処理」という6大機能の分だけ、ロジスティクスに関わるお仕事があるという事です。
①「輸送・配送」:売手から買手へ物を運ぶ作業
②「保管」:物を倉庫や物流センターで一定期間保管する作業
③「包装」(梱包):物(商品)を覆い、物の価値を守るための作業
④「荷役」:物流”施設内”で行う運搬活動全般の作業
⑤「流通加工」:物(商品)に付加価値をつける作業
⑥「情報管理」:物流(活動)全体を合理的かつ効率的に行うための情報システム全般
詳細は別記事の
「物流とは?ロジスティクスとの違いや「機能・役割・目的・流れ」について」
こちらでご説明しておりますので是非ご参考に頂ければと思います。
物流倉庫や物流センターをメインビジネスとしている会社であれば、「保管」「包装」「荷役」「流通加工」の4機能を担っていることが多いため、6大機能を大別すると「輸配送」「倉庫」「情報処理」という3つのカテゴリーに分けられます。
5:ロジスティクスに欠かせないシステム・テクノロジー
インターネットが普及して以後、24時間365日いつでもどこでも情報に触れる事が出来る様になり消費者の購買行動やそのプロセスは大きな変化が生まれました。それまでは選択肢の少なかった生活から多くの選択肢を得る事が出来、消費者のニーズが細かく多岐にわたる様になりました。
その結果、メーカー各社も単品大量生産から多品種少量生産に変化し、「物流=物理的な物を移動する活動」も複雑になりました。
そんな複雑な物流を管理するロジスティクスとしては属人的な経験と勘だけで出来るものではなくなり、管理システムや様々なITツール、テクノロジーが必要になります。
物流に関わる「情報」はたくさんあり、それらを管理する情報システムもまた多く存在し、国策としても物流DXとデジタル化を促進しているため更に多くのシステム開発が進んでいます。
例えば、輸送・配送時の積み合わせを考える「配送管理システム」、全体最適な運行計画や配車管理も出来るようになる「運行管理システム」、倉庫や物流センター内を円滑に、また効率的に管理するための「倉庫(在庫)管理システム(WMS)」、WMSと連携して機械と人の作業を管理する「倉庫制御システム(WCS)」などがあります。
6:ロジスティクスに関するニュース
働き方改革関連法によってドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じる諸問題が「2024年問題」として取上げられたり、国内外含め成長が目覚ましい通信販売における物流クライシスなどのニュースが最近では多く報じられています。
「ロジスティクス」や「物流」全般に関する情報が日々更新されまとめられているニュースサイトをご紹介致します。
・LOGISTICS TODAY
上記3媒体は弊社も情報収集のため日々チェックをしているニュースサイトです。
是非一度ご覧ください。
7:ロジスティクスの重要性
サービス業以外の何かしらを生産・販売している事業者様においては、必ず必要となるのが物流です。事業者様それぞれに経営戦略があると同様に、「物流戦略」もそれぞれに合ったものが存在します。
単純に単品を大量に生産を行い、市場に出回る時代ではなくなりました。
市場のニーズの変化に合わせて製造・販売も合わせる必要があり、多品種少量生産、販売が必要となる時代になりました。
そういった市場の変化と共に、必要となったのが「物流戦略=ロジスティクス」です。
多品種少量型となった市場に合わせて製造・販売を行い、更には競合他社と比較し優位性を持つ必要がある時代で、部品から完成品、商品化までの流れにおいて「物的流通」が担う重要性が高まりました。
そこで「物的流通」を管理するロジスティクスに注目が集まる様になりました。
物流、ロジスティクスの重要性を理解する企業ではこれまでの縦割り組織ではなく、サプライチェーンを含めた購買、生産、販売、物流の各部署で情報を共有し、市場の動向に合わせて「必要なモノを・必要な時に・必要な量だけ」供給していく、まさに経営戦略の一貫として考えられるようになりました。
物流部門が生産部門や販売部門と協力し、効率的に物流活動を行うことでコスト削減を可能とし、競合他社との価格競争やサービス向上での差別化を図る事が出来るのです。
昨今の経営課題においてロジスティクスは欠かせない、重要な存在となりました。
8:ロジスティクスの改善事例
ロジスティクスを利用し、経営課題の解決や改善をされている事は大小含めたくさん事例として存在す。
セブン・イレブンジャパンを筆頭にコンビニエンス業界では共同配送センターを用いた鮮度と安全性を担保した、物流網の確保が成されました。
また、アパレル業界ではユニクロやZARAなどがSPAA(Speciality store retailer of Private label Apparel)という、衣類品の商品開発、生産、流通、販売を一貫して行う経営形態をとり大幅なコスト削減を実現されています。
2000年以後、大幅に成長を続けている通販業界では国内外でも有名な事例としてはAmazonの物流です。
仕入れから在庫管理、配送までを一貫してAmazonが行うことでいち早く届ける事が出来る強靭な物流網、またFBA(Fulfilled By Amazon)といったサービスで大小関係なく事業者の物流を一手に担う事も行っています。
当社、株式会社ネオロジスティクスの事例としても配送管理において1つの実績があります。1社の運送業者に配送を依頼するのではなく、受取先の事情やリードタイム、コストを考慮しお客様が求める最善の選択を考え複数の運送業者を使い分けています。
これにより、サービスレベルの維持向上とコスト削減を並行して実現し、トータルメリットとして発揮しています。
9:これからのロジスティクスの課題と役割
これまでご説明させて頂いた通り、ロジスティクスが経営そのものに与える影響は非常に大きなものであるとお分かりいただけるかと思います。
ビジネスにおいて他社と比較したときに競争優位になるためには、必然となる要素です。
ただ、日本国内でのロジスティクスはまだまだ物流先進国と呼ばれる欧米と比較するとまだまだ遅れていると言われています。
その理由の一つとしては「規格」にあります。パレット一つにしても多種多様な規格が存在し共通の荷扱いをすることが出来ません。
その他には、先にご説明したドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じ「2024年問題」や、地球温暖化対策やエネルギーセキュリティの観点から、物流分野の「温室効果ガス排出量の削減」です。
これらの解決策としては鉄道輸送を利用するモーダルシフトや、トラックの積載効率を上げる共同物流などが現在も試みられています。
国際的な事業戦略における経済的な国力の課題。
物流現場を担う、ドライバーを含めた人材不足や労務環境面での課題。
トラックから排出されるCO2による地球温暖化などの地球環境面での課題。
などロジスティクスが担う課題は大なり小なりまだまだたくさん存在ます。
これらの解決の糸口として、情報や規格、作業などの「標準化」が求められている時代となりました。
「標準化」を図る事で、いつでも・どこでも・誰でも効率的な物流活動が出来、物流活動が効率化できることでより戦略やシクミの面でも効率的なロジスティクスが叶えられるものと我々は考えています。
日常を支える、重要なインフラの役割を担うロジスティクスにおいて、国内外含め維持・継続が出来る形で成長する事が地球規模でのよりよい改善に繋がります。
10:当社はネオ(新しい)ロジスティクスを目指す会社です!
ここまでご説明した通り、ロジスティクスが担う役割は人々の生活を豊かにする大義を持っています。
ロジスティクスの概念が日本に入った時代、1990年代に当社・株式会社ネオロジスティクスは生まれました。
当時までの物流業界には無い、新しい物流を担う会社となるべく「ネオ」を社名にも取り入れました。
単純な作業代行を行う物流会社ではなく、事業者様の物流事業を運用代行しロジスティクスを通して本来のコア事業に専念頂く。その上で事業者様の事業の発展を、物流部門として一緒にお手伝いさせて頂くのが我々の使命です。
もちろん、我々だけでは多くの事を達成することは難しく、事業者様はもとより、各協力会社様の協力があってこそ成せることと考えています。
株式会社ネオロジスティクスが提供するソリューションは3PL・物流アウトソーシングは物流事業の効率化、シクミ作りを強みとしています。
特に細かな作業とシクミを必要とする「販売物流」においては実績も多数あり経験がございます。取扱実績のある商品も様々で【食品、雑貨、日用品、美容化粧品、飲料、工業部品、原材料、など】です。
ラベル貼りなどの流通加工や、個人宅への通販(EC)物流もお応えさせて頂いております。
お悩みの事も多いかと思いますが、まずは一度お気軽にご相談ください。
【物流のチカラ】が【事業のチカラ】となります様、精一杯尽力させて頂きます。
《大阪での物流アウトソーシングは株式会社ネオロジスティクス。お問い合わせはお気軽に!》
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